ADHDなど乳幼児期から小児期にかけて問題となる障害

おもに小児期に問題となる疾患(症候群)についてまとめておきます。乳幼児期から小児期にかけての問題は様々なかたちであらわれるため、過度に心配しすぎたり、または見過ごされたりと難しい問題を抱えています。不登校や学校での不適応、家庭内暴力など表面化した問題(?)の背景に何らかの障害が認められることもありますが、病名によるレッテル張りはあまり意味がないばかりか有害であることが多いように思えます。このページは、日常診療において〇勸蕕討撚畩蠅平看曚鯤き相談に訪れるお母さんが多いこと、⊆分はADHD(最近は多動を伴わないADDという言葉がよく使われています)ではないかと自ら診断し、治療を希望される場合が少なくないこと(多くは診断基準を満たしません)、を痛感するために、何らかの参考になればと思い掲載しました。

注意欠陥・多動性障害(ADHD)−

不注意と多動、衝動性を特徴とする神経生物学的障害です。知的障害は明らかでなく、特に多動の目立たない場合、成人後初めて診断されることもあります。治療は障害による負の影響を最小限にし、固有の発達段階に応じて必要なソーシャル・スキルの獲得を目指すこと。具体的には行動療法・環境調整・薬物療法などがあります。薬物療法としては中枢神経刺激薬や抗うつ薬の効果が報告されています。
以下にDSM-犬凌巴粘霆爐
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ADHDAttentionDeficitHyperactivity Disorder)の診断基準

下記A,B,C,D,Eを満たす場合ADHDと診断する.
A.(1)か(2)のどちらか:
(1) 以下の不注意の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6ヶ月以上続いたことがあり、その程度は不適応的で、発達の水準に相応しないもの:
不注意
(a)学業、仕事、またはその他の活動において、しばしば綿密に注意することができない、または不注意な過ちをおかす.
(b)課題または遊びの活動で注意を持続することがしばしば困難である.
(c)直接話しかけられた時にしばしば聞いてないように見える.
(d)しばしば教示に従えず、学業、用事、または職場での義務をやり遂げることができない(反抗的な行動または指示を理解できないためではなく)
(e)課題や活動を順序立てることがしばしば困難である.
(f)(学業や宿題のような)精神的努力の持続を要する課題に従事することをしばしな避ける、嫌う、またはいやいや行なう.
(g)(例えばおもちゃ、学校の宿題、鉛筆、本、道具など)課題や活動に必要なものをしばしばなくす
(h)しばしば外からの刺激によって容易に注意をそらされる.
(i)しばしば毎日の課題を忘れてしまう.

(2)以下の多動性―衝動性の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6ヶ月以上持続したことがあり、その程度は不適応的で、発達水準に相応しない.
多動性
(a)しばしば手足をそわそわと動かし、またはいすの上でもじもじする.
(b)しばしば教室や、その他、座っていることを要求される状況で席を離れる.
(c)しばしば、不適切な状況で、余計に走り回ったり高い所へ上ったりする(青年または成人では落ち着かない感じの自覚のみに限られるかもしれない)
(d)しばしば静かに遊んだり余暇活動につくことができない.
(e)しばしば“じっとしていない”またはまるで“エンジンで動かされるように”行動する
(f)しばしばしゃべりすぎる
衝動性
(a)しばしば質問が終わる前に出し抜けに答えてしまう.
(b)しばしば順番を待つことが困難である.
(c)しばしば他人を妨害し、邪魔する(例えば会話やゲームに干渉する)

B.多動性−衝動性または不注意のいくつかが7歳未満に存在し、障害を引き起こしている.

C.これらの症状による障害が2つ以上の状況において(例えば、学校[または仕事]と家庭)存在する.

D.社会的、学業的または職業機能において、臨床的に著しい障害が存在するという明確な証拠が存在しなければならない.

E.その症状は広汎性発達障害、精神分裂病、またはその他の精神障害の経過中にのみ起こるものではなく、他の精神疾患(例えば、気分障害、不安障害、または人格障害)ではうまく説明されない.

自閉症

1943年に米国の児童精神科医カナー(Leo Kanner)が現在自閉症といわれている症状を呈する一群の子どもたちについて研究報告をしたのが最初です。カナーは極端な自閉的孤立、言語発達の遅れや歪み、同一性保持への不安に満ちた強迫的な欲求などの特徴を持つ一群の子どもがいることを報告し、これらの子どもたちを「早期幼児自閉症」と呼びました。現在では、独特の対人関係の障害や同一性保持への強い欲求、言語によるコミュニケーションの障害などの、共通する症状を示す疾患の一群と考えられており、一つの疾患単位(特定の明確な原因・症状・経過・予後を持つ)として仮定することは困難であると考えられています。脳もしくは脳機能の障害が自閉症の原因と考えられていますが、どの部位のどのような障害が関与しているのかについては十分に明らかとはなっていません。しかし、自閉症についての生物学的な研究の進展によって、何らかの脳機能障害が自閉症の発症に関与を示唆していることを示唆する所見が明らかにされつつあります。
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自閉症・診断基準

A. (1)(2)(3)から合計6つ(またはそれ以上)、うち少なくとも(1)から2つ、(2)(3)から1つづつの項目を含む。
(1)対人的相互反応における質的な障害で以下の少なくとも2つによって明らかになる。
 (a)目と目で見つめ合う、顔の表情、体の姿勢、身振りなど、対人的相互反応を調節する多彩な非言語性行動の使用の著明な障害 (b)発達の水準に相応した仲間関係をつくることの失敗 (c)楽しみ、興味、成し遂げたものを他人と共有すること(例:興味のあるものを見せる、持ってくる、指さす)を自発的に求めることの欠如 (d)対人的または情緒的相互性の欠如
 (2)以下のうち少なくとも1つによって示される意思伝達の質的な障害
 (a)話し言葉の発達の遅れまたは完全な欠如(身振りや物まねのような代わりの意 思伝達の仕方により補おうという努力を伴わない) (b)十分会話のある者では、他人と会話を開始し継続する能力の著明な障害 (c)常同的で反復的な言語の使用または独特な言語 (d)発達水準に相応した、変化にとんだ自発的なごっこ遊びや社会性を持った物まね遊びの欠如
 (3)行動、興味および活動の限定され、反復的で常同的な様式で、以下の少なくとも1つによって明らかになる。   (a)強度または対象において異常なほど、常同的で限定された型の1つまたはいくつかの興味だけに熱中すること (b)特定の機能的でない習慣や儀式にかたくなにこだわるのが明らかである (c)常同的で反復的な衒奇的運動(例えば、手や指をぱたぱたさせたりねじ曲げる、または複雑な全身の動き) (d)物体の一部に持続的に熱中する

B. 3歳以前に始まる、以下の領域の少なくとも1つにおける機能の遅れまたは異常
(1)対人的相互作用
(2)対人的意志伝達に用いられる言語、または
(3)象徴的または想像的遊び

C.この障害はレット障害または小児崩壊性障害ではうまく説明されない。

アスペルガー障害

ICD−10(WHOによる国際診断基準)ではアスペルガー症候群、DSM 検癖胴饑鎖整絣慍颪砲茲訖巴粘霆燹砲任魯▲好撻襯ー障害と命名されています。全般的な発達の遅れが目立たないにもかかわらず、非言語的コミュニケーションに大きな問題を抱え、周囲との友好な関係を持つことが困難な場合にこの概念が適応されます。自閉症の中で知的障害が目立たない場合高機能自閉症という言葉を用いますが、この概念に近いものと考えられています。
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アスペルガ−障害の診断基準

A.以下のうち少なくとも2つにより示される対人的相互作用の質的な障害
(1)目と目で見つめ合う、顔の表情、体の姿勢、身振りなど、対人的相互反応を調節する多彩な非言語性行動の使用の著明な障害
(2)発達の水準に相応した仲間関係をつくることの失敗
(3)楽しみ、興味、成し遂げたものを他人と共有すること(例:他の人たちに興味のあるものを見せる、持ってくる、指さす)を自発的に求めることの欠如
(4)対人的または情緒的相互性の欠如

.行動、興味および活動の、限定され反復的で常同的な様式で、以下の少なくとも1つによって明らかになる。
(1)その強度または対象において異常なほど、常同的で限定された型の1つまたはそれ以上の興味だけに熱中すること(2) 特定の、機能的でない習慣や儀式にかたくなにこだわるのが明らかである
(3)常同的で反復的な衒奇的運動(例えば、手や指をぱたぱたさせたりねじ曲げる、または複雑な全身の動き)
(4)物体の一部に持続的に熱中する

Cその障害は、社会的、職業的あるいは他の重要な領域における機能の臨床的に著しい障害を引き起こしている。

.臨床的に著しい言語の言語の遅れはない(たとえば、2歳までに単語を用い、コミュニケーションに有用な句が3歳までに使用される

.認知の発達、年齢に相応した自己管理能力、(対人関係以外の)適応行動、および小児期における環境への好奇心などについて、臨床的に明自な遅れがない

.他の特定の広汎性発達障害や精神分裂病の診断基準を満たさない

行為障害

他者の基本的権利または年齢相応の主要な社会的規範・規則を侵害することが反復し、持続する障害です。攻撃性・反社会性が目立ちます。昨今の少年犯罪の増加(?)にともない、注目を集めています。脳波異常など器質的背景も指摘されていますが統一した見解は得られていません。衝動性への薬物治療の必要性は高いと考えられます。