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思春期の頃、「自分のこころが鉄でできていたらいいのに」とよく思いました。でもいつの頃からか、「そうならなくて良かった」と思えるようになりました。気がつけば精神科医になり、人のこころに対座することになり、いつのまにか掴み所のない心の問題について極めて画一的な対応をすることが多くなっていました。
一般に精神科や心療内科での診療は、精神医学や心身医学といった学問的背景を持っていて十分に科学的であります。パニック障害や強迫神経症(強迫性障害)、うつ病や統合失調症、様々なタイプの認知症といった疾患については、脳科学としての解明が進んでおり、治療的には有効な薬物療法が第一選択となります。このことは医学の進歩であり、とても有意義なことであると思います。私自身の診療の基本もここにあります。
しかしこれらの疾患でさえ、決められた薬を処方するだけで、すべての場合に対応できるわけでは残念ながらありません。疾患を抱えるのは個人であり、個人には当然ながら個別の人格や生活環境があります。また薬を飲むにしても主作用・副作用の出現の仕方には純粋に身体面での個人差があります。したがって治療の多様性は限りなく、処方箋1枚で簡単に解決しない場合は数多くあるのです。
こういったことを経験するうちに、もっと個別の問題についてゆっくりと時間をかけて対応していきたいと考えるようになり、このクリニックを開設するにいたりました。
ここには特別なものがあるわけではありませんが、粘り強く共に考える姿勢と、治療の多様性をうやむやにしない姿勢があります。そしてこのことが治療の可能性を広げていくことにつながるものと考えています。もしあなたが解決できない問題を抱えているようでしたら、どうぞお気軽にご相談ください。この場所を訪れることがあなたの人生の良い転機となるように努めていきたいと思っています。
略歴
京都府立医科大学卒業後
→同附属病院研修医・修練医
→内海慈仁会・有馬病院
→京都府立医科大学・精神医学教室助手
→大津市民病院(心療内科) の臨床経験を経て
2001/5/1よりバイオメンタルクリニック開設
資格
医師免許・精神保健指定医