心理テスト

心理テストといっても最近は随分と身近なものになったような気がします。週刊誌の中に「あなたの性格診断します」といった類の特集をみつけることは日常茶飯事ですし、本屋に行けば心理テストの解説書を目にすることも多くなってきました。自分の心の状態がどうなっているのか?、はたまた自分の性格に問題はないのだろうか?といった関心は多くの人が持っています。テストの結果がどうであれ、別に生活が大きく変わるわけではないのですが、自分という人間への興味は尽きることがありません。実際に臨床の場で使われている心理テストは多くの場合、被検者の現在の状態や性格傾向を客観的に示してくれるもので、とても有意義なものです。しかしテストはあくまでテストであってそれ以上のものではありません。結果をみて一喜一憂してみても仕方ありませんし、使い方によってはただその人を落ち込ませるだけになったりもします。
クリニックでは、診断の補助として、治療効果の客観的指標として、長期的なカウンセリングの糸口を見つけるための手段として、心理テストを用いています。決して正常か異常かの区別をつけるためといった短絡的なものではありません。
現在当クリニックにて主に行なっているテストの簡単な解説をしておきます。

機YGテスト(矢田部・ギルフォード性格検査)
質問紙法の性格検査です。(120項目の質問にyes,no,?で答える)
30分程度の時間で評価も比較的早くできるために、採用試験などにも用いられています。
性格特性を12尺度(抑うつ性、気分の変化、劣等感、神経質、客観的、協調的、攻撃的、非活動的、のんき、思考的内向、服従的、社会的内向)に分類し解析→5つの性格類型(平均型、注意人物型、平穏型、管理者型、変人型)に分類→それぞれについて典型・準型・混合型の3要素を加えることで最終的には15種類の性格類型(たとえば平均型・典型)に分類します。
以上にて被検者の性格傾向を評価します。

供P-Fスタディ(Picture−Frustration Study)
フラストレーションに対する反応や欲求不満耐性を評価するための検査です。
日常的に経験するようなフラストレーション場面が描かれた24枚の絵を使用します。それぞれの絵には、左側の人物の発言に対しての右側の人物の発言部分が空白になっています。場面をみて考えられる答えを空欄に記入します。
この反応をもとに、評価を行ないます。

掘SCT(文章完成テスト)
対人関係、家族関係、異性関係、対社会的態度、過去・現在・未来における自己概念などの領域における情動や葛藤について評価するための検査です。
検査は未完の文章の後半部を自由に書き込み文章を完成させる、という形式で行ないます。

検Rorschach Test(ロールシャッハテスト)
テストの名前は良く知られていると思いますが、「インクのシミのような図形(ink−blot)をみて何にみえるか答えるテスト」というともっとわかりやすいかもしれません。
反応刺激が非構造的なものであるために、反応も非構造なものとなり、非言語的な部分(意識的にコントロールされにくい)が表出されやすい点が特徴です。
評価は反応の仕方を客観的なカテゴリーに分類し行ないますが、最終的には全体を統合し評価していく過程の中で、検者の専門的な解釈が必要となります。
このテストでは、’知的側面(知的状態とその機能、把握の仕方、観察力、思考の独創性、生産性、興味の範囲) ⊂霆鐡側面(一般的な情緒の傾向、自己に対する感情、他人への反応性、情緒的緊張に対する反応、情緒的衝動の統制)自我機能の側面(自我の強さ、葛藤領域、防衛パターン)などをみることになります。

后STAI(状態−特性不安尺度)
不安について状態不安(個人がそのときおかれた生活条件により変化する一時的な情緒状態)と特性不安(不安状態の経験に対する個人の反応傾向を示し、個人の性格傾向を示すもの)の2つの因子を想定し、それぞれ20の質問項目を使用することで、評価(点数化)を行ないます。
状態不安は病状(状況)とともに変化し、特性不安はあまり変化しないことになります。
検査の結果について話し合い、症状の回復の指標とします。

此SDS(自己評価式抑うつ性尺度)
うつ状態の重篤さについての客観評価を行なうテストです。
質問は、気分や睡眠、食欲、自律神経症状など20項目からなり、自己記入式で容易に点数化できるため、診断や治療効果の判定に用いることができます。

察TEG(東大式エゴグラム)
交流分析理論に基づき、現在の自我状態について考察する質問紙法のテストです。
父親的・母親的・大人的・自由な子供的・順応した子供的といった5つの自我状態のどの要素を強く持っているかを評価します。
対人交流の仕方においてどのような行動パターンをもっているのか、大体の傾向を把握することができます。

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バウムとはドイツ語で樹木を意味します。
1本の樹を描くという教示(教示の仕方には幾種類かある)をおこない、描かれた樹の形態や空間配置についての考察を通じて、抑圧された情動や自我像の成熟度などを把握しようとするテストです。
テスト自体は簡単に行なえますが、評価は確定的なものではなく、他のテストとの統合的な解釈をするための手段と考えるのが現実的です。

宗WAIS-R(ウェクスラー知能診断検査)
言語性IQと動作性IQを評価するための検査です。内容は一般的知識や算数の問題、絵画でストーリーを完成させるテスト、積木問題など11種類のテストで構成されています。 全ての項目を行なうのには1時間程度の時間を要しますので、部分的な項目だけを使用することもあります。